狂言「花子」(「はなご」と読む)をもとにした松羽目物で
菊五郎家の家の芸「新古演劇十種」の一つ。
愛人に逢いに行きたい右京(うきょう)。
奥方・玉の井(たまのい)に一晩座禅をするため堂に籠ると嘘をつき家来の太郎冠者(たろうかじゃ)に身替りの座禅をさせ、右京は愛人に逢いに出掛けます。
しかし、その作戦はすぐに見破られ玉の井は太郎冠者と入れ替わり、右京の帰りを待ちます。
何も知らない右京が帰ってきて、座っているのは太郎冠者と思い込んだまま愛人とののろけ話や玉の井の悪口まで言う右京。
衾をとるとそこには怒りに震える玉の井が…。